大人のマンション購入計画 -11ページ目
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公開空地のメリットとデメリット

公開空地を設けることで、容積率や建物の高さの
制限が緩和されます。
つまり、「通常よりもおおくの住戸を設定できる」
わけです。
このメリットを受けるのは、おもにマンションディベ
ロッパー側。
業者は、同じ面積の土地にたくさんの住戸のマンションを
建設できる訳ですから、土地の取得費用(コスト)に対して、
売り上げ(マンション販売による儲け)の比率を上げることが
できるんです。
で、デメリットはというと、これは住む人が受けることに
なることが多いと思います。

自分が住んでいる敷地内に公開空地が設定されていれば、
そこは基本的にだれでも自由に出入りできることになります。
敷地内を横切って近道をしたり、芝生やベンチがあれば
そこで休憩することは、基本的に誰にでも認められること
になるのです。
さまざまな人が混交した都心部では、ともすると治安が
悪くなることにもなりかねません。
ちょっと大げさかもしれませんが。
このあたりの判断は、マンションが建設される周辺の
エリアが、どのような治安状態にあるのか、
十分に見極めて判断する必要があると思います。

マンション情報誌を見る時の心構え

マンションを購入するプロセスにおいて、
まだ検討し始めたばかりの段階では、
いきなりピンポイントで候補を絞るというよりは、
どのようなマンションがあるのか、まずはざっと見て
みることになると思います。
こうしたときの情報源としては
・Yahoo!不動産などサイト
・書店・駅売店で売られている分譲マンションの情報誌
などが一般的でしょう。

このうち、マンション情報誌を見る時には、すこし注意した方が
いいかもしれません。
マンション情報誌は、とどのつまり、広告の寄せ集めです。
中には、編集部が取材した記事も含まれていますが、
編集部の食いぶちは、掲載されているマンションの広告、
なわけですから、批判的な内容が書かれることは、
ほとんどないと言っていいでしょう。

金額の桁は違いますが、高額な買い物のひとつである自動車の場合、
世に出ているそれなりの自動車雑誌を読めば、
実際に試乗した自動車評論家たちの意見が参考になることもあります。
もちろん、中には自動車メーカーの提灯持ちをしている評論家もいますが。
マンション情報誌を読むときには、基本的に
「いいところしか書かれていない」
ということを前提にされたほうがいいと思います。

チラシで分かる、ディベロッパーのプライバシー保護に対する意識。

とある折り込みチラシを見て、気になるマンションがあったとします。
そのチラシに、資料請求用のはがきがはりついている場合、
ディベロッパーはプライバシー保護に対して意識が低い、
と思った方がいいでしょう。

このようなケースの場合、たいてい、チラシの隅に
はがきがペタッと貼付けられていることでしょう。
それに記入して郵送してもらうことで、ディベロッパーは
脈のありそうなターゲットの個人情報を集める訳ですが、
その途中、あなたの住所や電話番号から果ては年収に至るまで、
すべての情報が第三者に見られてしまう訳です。

昔は大手ディベロッパーでもこのような方法で
資料請求を受け付けていましたが、
今やネットでの請求があたりまえ。
さすがにはがき付きのマンションチラシをみかけてなくなりましたが、
つい最近、見てしまいました。
絶滅したと思っていたのに。

住まい選びとは直接関係ないことと思われるかもしれませんが、
こういったちょっとしたことだけど大切なところに
神経が行き届いていない業者は、住まいもしかり、
と言えるのではないでしょうか。

便器で分かる、マンションのグレード。


今日のテーマは便器について。
このブログで扱った最初のテーマが「用途地域」という
普段はあまりなじみのない項目でしたが、
一転、もっとミクロな視点に立って、
マンションを見極めるポイントについて書いてみようと思います。


便器って、生活の中では毎日使うものですから、
マンション選びの際には着目したいポイントの一つです。
マンションディベロッパー側としては、
見栄えのいいものをより安く仕上げることで、
マンションの価格を少しでも高めに設定し、
利益を大きくしたいという意向があります。
ですから、見えないところは徹底的にコストを削って、
見えるところに手をかけるということが行われます。
見えるところのなかでも、視覚的な効果が大きいということで
たいていはリビングやキッチンなどに上質な仕上げ材が
採用され、カタログでも大きな写真で紹介されていることが
多いと思います。
そんななか、トイレは脇役。
なので、あえてここに注目して「ディベロッパーの金のかけ具合」を
推測してみます。

便器の種類、というと、どれくらい思いつかれるでしょうか?
ここでいう種類というのは、
シャワー付トイレか否か
というのではありません。
便器自体の仕組みにいくつかの種類があるのです。
名称には若干の違いもあるようですが、

□洗い落とし式
□セミサイホン式
□サイホン式
□サイホンゼット式
□サイホンボルテックス式

の5種類があり、下に行くに従って高級な仕様になるのです。
具体的な違いについては、たとえば下記のURLで
解説されていますので、ご参照ください。

モデルルームの見学に行って、トイレの便器が洗い落とし式で
あれば、そのマンションは候補に入れない方がいいかもしれません。
とある有名ディベロッパーでは、洗い落とし式を採用してはならない、
という仕様マニュアルがあるくらいですから。

便器は、買ったときに設置されているタイプが気に入らなければ、
比較的簡単にリフォームできるかもしれません。
しかし、余分なお金はかけたくないですよね。
やはりディベロッパーの姿勢の現れの一つとして、
マンションを検討するときには便器のグレードにも
気をつけてみてはいかがでしょうか?


http://www.toto.co.jp/water/shuri/toilet/chishiki.htm#benki

商業地域にあるマンションには、お気をつけを!

用途地域における商業地域は、駅周辺など非常に利便性の高い
エリアに集中しています。
そもそも商業地域というのは、
「商業施設の充実により利便性の向上をはかる」
ことを目的としている訳ですから、自然の成り行きとして
多くの人が集まりやすい地域が商業地域になるのです。
ここは駅から至近ということもあり日常生活に便利なことが
多いのですが、 一方で生活の根本を崩してしまうことにも
なりかねないリスクもあるのです。


用途地域ごとに建てることができる建物の種類が決められて
いることは、これまでも何度か言及してきました。
ただ、各々の用途地域にはそれ以外にも規定されていることがあります。
たとえば、建ぺい率や容積率なども定められているのですが、
マンション購入にあたって特に着目すべきは「日影規制」です。
「日影規制」とは、

冬至の午前8時から午後4時までの8時間において、
一定の距離の範囲に一定の時間以上の日影を生じさせないように
建物の形状を制限するもの

です。
つまり「日影規制」とは、人が暮らすために必要な
日照を確保するための定められたものであり、
「一定の距離」や「一定の時間」というのが
用途地域ごとに定められています。

ここでのポイントは、商業地域では「日影規制」が設けられて
いない、ということです。
つまり、商業地域のマンションは、
たとえ建設当初において南側からの日当たりが確保されていても、
住み始めてから後に新しい建物が建てられれば遮られてしまう
可能性があるのです。
こうなると、もっと日当たりのいいところに引越そうと思い、
今住んでいるマンションを売ろうとしても、
資産としてはすごく価値が下がり、売却できないケースが
あります。
そんな価値のないマンションに住み続け、しかもローンを
払い続けなければならないとなると、これはもう悲劇です。

商業地域は駅周辺などに集中しており、
利便性の高い立地条件は大変魅力的なのである一方で、
住まいとしては日当たりが悪い住環境になる恐れがある、
ということぜひ覚えておいてください。

中古マンションをお考えの方に。

私が住んでいる東京でも、土曜日の地震の時にはかなり揺れました。
東京でもあれくらいなのですから、新潟など震源地やその周辺では、
とんでもない状況だったと思います。
私も阪神・淡路大震災の時には、大阪に住んでいたので
震度5を経験しました。
そのときの恐ろしさは、たとえようがありません。

地震が発生すると、自分の住まいは果たして大丈夫かと
心配になります。
もし今お住まいのマンションが1981年以前に建てられたものでしたら、
耐震性に疑問があるかもしれません。
というのは、1981年というのは「耐震設計法」が見直された年なのです。
この年以降に建設された建物でしっかり設計・施行されていれば、
(これが当たり前なはずなのですが、そうでない物件もあるんです。)
地震に対してかなりの強度が確保されているはずです。
しかし、この年以前に建てられたマンション等については、
耐震性が?となります。

もし中古のマンションをお探しの場合は、
建設年を必ず確認してください。

用途地域を知ることで、マンション選びの視点が広がるかも。

マンションの購入を決断し、いざいろんな物件を比較しようとなると、
どうしても間取りや外観などの情報に眼が行きがちです。
もちろん、こうした点のチェックも大切なのですが、
さらに根本的なところを調べる必要があります。
いわばそのマンションの「基礎項目」ともいえるもの。
極端な話、間取りは購入後でもリフォームすれば変更可能ですが、
この「基礎項目」についてはそうはいきません。
その一つが「用途地域」です。


用途地域がなぜ重要かは先日も触れましたが、
【用途地域ごとに、建築可能な建物の種類が決められている】
からです。
つまり、自分が暮らす街は、
住宅が多い環境なのか、それとも商業施設が大半を占めるのか、
それとも工場が隣接するのか、
ということが、マンションがどの用途地域に建つものかが判明すると、
だいたい予想できるのです。

【はじめての用途地域】

■用途地域は大きく分けて、「住居系」、「商業系」「工業系」
の3種類があります。

■住むための環境としては、一般的に
「工業系」「商業系」「住居系」の順に良好となります。

■ 細かく分類すると用途地域は、12種類に分かれます。

「住居系」には
「第1種低層住居専用地域」、「第2種低層住居専用地域」、「第1種中高層住居専用地域」、「第2種中高層住居専用地域」、「第1種住居地域」、「第2種住居地域」、「準住居地域」の7種類があります。
また、「商業系」には「近隣商業地域」、「商業地域」の2種類、「工業系」には「準工業地域」、「工業地域」、「工業専用地域」の3種類があります。

それぞれの用途地域にどのような建物が建築可能かは、
建築基準法に定められています。
下記のURLで一覧できますので、さらに詳しく知りたい方は
ご覧になってみてください。

で、マンション購入を検討するとき、候補に挙がっている物件が「商業地域」に建築される場合は、注意が必要です。
理由は、また後日、ご説明します。



http://www.bousai.go.jp/jishin/law/023.html

マンション広告を見るときには(用途地域編)。

マンションの広告には、いろんな情報が詰まっています。
逆に見ると、どこにポイントをおいてチェックすればいいのかが
分からないと、先日お話ししたような「実際の物件とは違うイメージ」に引きずられて、判断を誤ることにもなりかねません。

チラシを見るときには外観のイメージCGや間取りに眼が行きがちです。
そこもチェックすべき項目ですが、さらにチェックすべきなのは、
チラシの下の方にある「物件概要」。
小さな文字で書かれているので読む気が失せるかもしれませんが、
このあたりをちゃんと読んでいなかったために、
あとあと泣きを見ることも少なくありません。
不動産業者はちゃんと情報を公表しているのだから、
読んでいないのは買い手に問題があるということになります。
「大人のマンション購入計画」であるわけですから、
チェックすべきポイントはかならず押さえるようにしましょう。

この「物件概要」には、チェックすべき項目が沢山ありますが、
ひとつひとつは追ってご説明していく予定です。
今日は、まず「用途地域」。
この「用途地域」が、どこか分かると、
その周辺の将来がどのような住環境になる可能性があるのか、予想できるのです。
すでに成熟した街並であれば、大きく変化することもないでしょうが、
これから発展していく新興住宅地のような環境の場合、
住んでから「こんな街になるなんて!」と嘆いてからでは時、既に遅し。
なぜ「用途地域」を知ると街の将来像をイメージできるのかと言うと、
【用途地域ごとに、建築可能な建物の種類が決められている】
からなのです。
建物の種類だけでなく、さらに事細かな決めごとがあるのですが、
ここでは割愛。

長くなりましたので、用途地域については、後日、
詳しくかつマンション購入に必要な点に絞って
ご説明する予定です。

マンション広告を見るときには(ビジュアル編)。

マンション物件についての情報は、まず広告が窓口になると思います。
この広告を見る際には、いくつかのポイントがあります。
そこには沢山の情報が詰め込まれているので、
読み取るべき点も多々あるのですが、
まずはビジュアルのお話から。


チラシにしろ新聞広告にしろ、まず第一印象を決めるのはビジュアル。
ほとんどの場合、CGを駆使したパースをつかって、
そのマンションが一番良く見えるアングルで
好イメージを与えるべくアピールしています。
このCG、アピールポイントが高いが故に、
業者は時として、過剰な演出をしてしまうことがあります。
お手元にチラシがあれば、そのCGで描かれた絵の隅っこに、
「実際と異なります。」
という断り書きがありませんか?
そうです。
マンションが完成したら、このCGどおりにはならないよ、
と業者自らが説明しているのです。
ビジュアルのインパクトは大きいのでどうしてもその印象が
マンションの善し悪しと結びつきがちですが、
「げた」をはかせていることもあることを、
理解してチラシをごらんくださいね。

はじめまして。

某ブログより、引越してきました。

週末になると、新聞にはマンションのチラシが
大量に折り込まれています。
買う人、多いんだなぁ、と思いますが、
果たして、そのうちどれだけの方が100%とはいかないまでも
かなり満足できるマンションに出会えたのだろうか、とも思うのです。

マンションを買うことって、特殊だと思うんです。
普通、洋服や車を買うときなら実物を試着や試乗して、
その善し悪しをじっくり判断します。
しかし、たいていの場合、新築マンションは、
まだ実物がない段階で購入を決断しなければなりません。
モデルルームを見ても、所詮、それは似て非なるもの。
現地に建っていて、しかも自分が住む予定の階数の高さに
あるモデルルームは、ほとんどありませんから。
さらに、その価格は半端じゃありません。
コトバはよくないかもしれませんが、
「下手なものをつかまされ」たら、泣くに泣けませんよ。
だったら、ずーっと賃貸暮らしがいいのかというと、
それはそれで問題がある。
必要なのは、
「マンションを買うのなら、正確な知識と情報を身につける必要がある」
ということです。
そして、自分で責任を持って判断する。
結果が悪い方向に出たら、悪いのは自分、と納得できるくらいじゃないと、
マンション購入は断念した方がいいと思うのです。

このブログでは、マンションを売る側にかつて関わったことのある人間だからこそ
知り得る情報なども公開していこうと思います。
自分自身の判断に責任をもてる「大人のマンション購入計画」のために。

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