耐震強度偽造問題その4 | 大人のマンション購入計画

耐震強度偽造問題その4

ご覧いただき、ありがとうございます。


日を追うごとにいろんな情報が出てきますね。

耐震強度偽造問題。

ネット上や知人などから集めた情報をもとに、

自分なりに考えてみたことなどをメモします。



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マンション販売を企画し、設計・施工・販売するまでの

一連の流れを考えたとき、

もっとも強い意見をいえるのはディベロッパーです。

ディベロッパーが設計事務所やゼネコンなどに仕事を依頼し、

お金が払われるわけですから。

問題になっている建築士を擁護するつもりは毛頭ありませんが、

買われた方が責めるべきはまずディベロッパーでしょう。

TVで報道番組のコメンテーターの中には

「国にも責任がある!」

と声高に叫んでいる人もいましたが、

事情にもよりますが何かあればすぐに国に泣きつくという姿勢は

「大人」の行為ではないと思います。

問題となっている物件を購入された方のお気持ちを察すると

心が痛みますが、まずは売主であるディベロッパーが対応すべき。

ディベロッパーの資本力ではどうにもならないと分かった時点で

国の対応というのが順序だと思います。

話が逸れましたが、一般的にはマンションを企画した時点で

どれくらいの利益を上げるのか見込みを算出し、

そこから逆算してかけられるコストを割り出します。

この値段に抑える仕様に設計しなければ、

設計事務所やゼネコンは仕事をもらえないという事情が

背景にあります。

ゼネコンは図面を見たときに

「これでは、とうてい建物としてもたない」

と分かっていたと思います。

一般的なマンションでは構造的に斬新な設計をすることは

ほとんどありません。

同じようなタイプのマンション建設に関わってきているゼネコンなら、

これくらいの規模であれば柱の太さがどれくらいで、

必要な鉄筋の仕様はこれくらい、ということを

過去の経験から知っていたはずです。

ましてや今回の場合、必要な強度の3割しか確保されていない

部分もあったわけですから、

図面を見れば正常な仕様との違いは歴然としていたに違いありません。

気づいても言えなかったのでしょう。

ディベロッパーにそんなことを言えば

仕事を切られるからもしれないわけですから。

ここまでひどくはないのかもしれませんが、

つい最近まで経営危機がささやかれていた

ディベロッパーでも大なり小なり似たようなことをしていたようです。

利益捻出のために徹底的なコストダウンを図るべく、

べらぼうに安い値段で業者に仕事を発注していたようです。

こうなれば、ゼネコンやその下請業者も多少なりとも

手を抜かないとやっていけない。

悪循環です。


今回問題となっているヒューザーは、

専有面積の大きさをウリにしていたようですが、

そのウラにはやはりカラクリがあったわけですね。

ヒューザー同様、格安で広さをアピールポイントにしている

ディベロッパーにはその理由を問うべきです。

「宣伝費を抑えています」

というような説明はあいまいで根拠薄弱です。

ディベロッパーが納得のいく説明をしないのであれば、

購入の検討対象からはずした方がいいでしょう。



それにしても問題となっている建物の売主だけでなく、

建築確認でOKを出したイーホームズの記者会見にも閉口しました。

自分たちの能力欠如と無責任ぶりを世にさらしだして

よくも平然としていられるなと思いました。